『Two Worlds』スピードランの単純明快なロジック:オープンワールドRPGが2分で片付くワケ

「史上最もぶっ壊れたゲームの一つ」

 最近の話題というわけではないが、備忘録的に。

 2007年発売のオープンワールド・アクションRPG『Two Worlds』。英語圏では、ゲームそのものよりも、前年発売の『The Elder Scrolls IV: Oblivion』との不幸な(無謀な?)比較によって記憶されているゲームだ。発売前には「強化版の『オブリビオン』」(Oblivion on steroids)と謳われ、発売後には「貧乏人の『オブリビオン』」(a poor man's Oblivion)とこき下ろされたのである。独特の愛嬌を見出すファンもいる一方で、ストーリー、ゲームプレイともに嘲りや失笑を誘った。

【動画紹介】「『Event[0]』の種明かし」(Game Maker's Toolkit)

「2016年の最も革新的なゲーム」


How Event[0] Works | Game Maker's Toolkit

 2016年の傑作インディー・ゲーム『Event[0]』(Ocelot Society)について何度か書いてきたが、日本語で利用できる、よい批評動画があったことに気がついたので、紹介。

 紹介するのは、マーク・ブラウン(Mark Brown)氏の“Game Maker's Toolkit”。ゲームのデザイン(設計)面に焦点を絞って、10分前後の長さで密度の高い分析を展開する人気の批評シリーズである。だいぶ前にチャンネル登録して、時々見るようにしていたのだが、いつからそうだったのか、シリーズ全動画(?)に日本語字幕がつけられていることに昨日初めて気がついた。

【ゲームの英語】『Saints Row: The Third』:“How far would you want me to go?”

「もしジェシカ・パリッシュがあなたの娘だったら」

 本日のフレーズ:

Reporter: How long will STAG be occupying Steelport?

Cyrus: There is no "occupation". We have the full support of Mayor Reynolds.

Jane: How will STAG impact our daily lives?

Cyrus: When we win the war on urban terror, you and your families will be safe again.

Jane: Sir, that's not what I asked.

Cyrus: Let me tell you about Jessica Parish, a girl from Stilwater who ran away from home to be with her tough-guy boyfriend. Jessica thought her life was pretty sweet, until a gang banger kidnapped her, threw her in the trunk of a car, and laughed as her boyfriend crushed her in a monster truck rally. If Jessica Parish was your daughter...how far would you want me to go?

(Saints Row: The Third, Deep Silver, 2011)

作者の知らない4つ目のエンディングが存在したゲーム『Event[0]』

(※)以下、具体的詳細は伏せるものの、ゲーム『Event[0]』(2016年)のエンディング分岐に関するネタバレを含みます。

 ゲーム『Event[0]』(Ocelot Society, 2016)は、3D一人称視点での探索とコマンド入力式テクスト・アドベンチャーとが組み合わされたSFアドベンチャー・ゲーム。プレイヤーは、遭難の末に漂着した宇宙船内を探索しながら、船に搭載されたAI「Kaizen-85」とキーボードで会話をし、地球に帰る道を探ることになる(レビューを書いた)。


Event[0] Announcement Trailer 2016

 3つのエンディングが用意されているはずのこのゲームには、4つ目のエンディングが存在する、しかし、クリエイターもその存在をつい最近まで知らなかった。・・・そんなストーリーを、同作のデザイナー/ライターであるイマニュエル・コルノ(Emmanuel Corno)氏がツイッター上で報告し、話題を呼んだ(参考:GamasutraKotaku)。

「トランプ=アルツハイマー病」説の誤り

憶測とジョークと陰謀論のあいだ

 数日前、アメリカの左派系ニュース・サイト AlterNet に、「トランプが、彼の認知能力の衰えをめぐる憶測の広まりを引き起こした4つの瞬間」(Kali Holloway, "4 Times Trump Has Inspired Widespread Speculation About His Cognitive Decline", AlterNet, 2017/07/05)という、クリックベイト感のある記事が載せられていた。7月5日に、飛行機から降りたトランプ大統領が目の前に停められていたリムジンを素通りしてさまよう姿がテレビ・カメラに収められたのをきっかけとして、SNS上の一部で「トランプ=アルツハイマー病」説が再浮上したことを取り上げたものである。

【海外記事紹介】「『A Gray State』:死にいたる自らの狂気への転落を撮影した右翼の陰謀論者」(Salon)

自らのパラノイアを記録する男

 Salon に「『A Gray State』:死にいたる自らの狂気への転落を撮影した右翼の陰謀論者」(Gary M. Kramer, "'A Gray State': A right-wing conspiracy theorist films his own deadly descent into madness", Salon, 2017/07/06)と題された興味深い記事が載せられていた。『A Gray State』という、今年完成されたドキュメンタリー映画に関する記事だ。ヴェルナー・ヘルツォーク監督のドキュメンタリー映画『グリズリーマン』(2005年)のプロデューサーとして知られるエリック・ネルソンが監督し、ヘルツォークがプロデューサーを務めている。

G20、ホテルの予約が取れなかったトランプ大統領一行

 7、8日のG20サミットに出席するためドイツのハンブルグを訪れているアメリカのトランプ大統領。ところが、どうやらホワイトハウスは、大統領一行の宿泊するホテルの予約を取ることに失敗していたらしい。Buzzfeed に、そんなドイツ語版からの翻訳記事が掲載され、後を追って各英語メディアによっても報じられた。アメリカ政府が予約を取ろうと動き始めたときには、どのホテルもとっくに満室になっていた、というのである。

 Newsweek 日本版の翻訳記事より:

【海外記事紹介】「ロシアの隣国ウクライナは、アメリカの何年も前から『フェイク・ニュース』とハッキングに悩まされてきた」(Snopes)

 紹介するのは、アメリカのファクト・チェック・サイト、Snopes.com のニュース記事「ロシアの隣国ウクライナは、アメリカの何年も前から『フェイク・ニュース』とハッキングに悩まされてきた」(Bethania Palma, "Russia’s Neighbor Ukraine Besieged by ‘Fake News’ and Hacking Years Before United States", 2017/06/27)

 6月27日に欧米の政府機関や企業がランサムウェアを用いた大規模なサイバー攻撃に晒されたが、被害の中心はウクライナであり、そこから被害が広まった、と目されている(朝日新聞2017/06/29)。攻撃者の正体や動機は依然として不明であるが、直後からロシア政府機関の関与が疑われており、その疑いの背景には、ウクライナに対するさまざまな形でのサイバー戦争、というこれまでの経緯が関わっている。