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【海外記事紹介】「任天堂の新しいゲームは、障害を持つ人々にとってみすぼらしいものとなっている」(Medium)

イノベーションと負の側面

 紹介するのは、マーク・ブラウンの Medium への寄稿「任天堂の新しいゲームは、障害を持つ人々にとってみすぼらしいものとなっている」(Mark Brown, "Nintendo’s New Games Are Miserable for People With Disabilities", Medium, 2018/11/08)。ブラウン氏は、ゲーム・デザインの鮮やかな分析で定評のある、YouTubeの人気ビデオ・エッセイ・シリーズ“Game Maker's Toolkit”のクリエイターである(一部は日本語字幕も利用可能な、氏のチャンネルについては、別の記事を参照)。

 記事のテーマは「アクセッシビリティ」(accessibility)。直訳すれば「近づきやすさ」を意味するこの単語は、誰にとっても扱うことが容易な設計、とりわけ年齢や障害の有無にかかわらず利用可能である設計を意味して用いられる。

 ブラウン氏の記事は、「手軽で直感的な操作」といったふうにもてはやされるある種のイノベーションが、実際のところ、従来ゲームにアクセスできていた人々を容赦なく閉め出す結果になっている場合があることに注意をうながしている。

 任天堂の日本語公式ウェブサイトには、「『Nintendo Switch™』は、プレイシーンにあわせてカタチを変えるゲーム機。いつでも、どこでも、気の向くままに、自由なスタイルでゲームを楽しむことができます。」とあるが、障害者の視点から見るとき、全く違った風景が見えてくるのである。

【海外記事紹介】「エドワード・スノーデン再考」(The New York Review of Books)

スノーデン現象、もう一つの物語

 紹介するのは、The New York Review of Books に載せられた長文エッセイ「エドワード・スノーデン再考」(Tamin Shaw, "Edward Snowden Reconsidered", The New York Review of Books, 2018/09/13)。スノーデンによる機密暴露5周年を念頭に書かれた、スリリングな論考である。

 何か知られていなかった事実が述べられているわけではないが、エドワード・スノーデン本人というより、スノーデンを取り巻く群像を今日の視点から再構成することで、彼ら自身の語り口からは見えづらい、「スノーデン現象」の帯びてきた不穏な側面に光を当てている。

 記事でも言及されているローラ・ポイトラスの二つのドキュメンタリー映画、『シチズンフォー』(2014年)と『リスク』(2017年)を見ておくと、時系列や登場人物が理解しやすいだろう。もちろん、この記事を読むと、彼女のドキュメンタリーの印象も少し変わってくるのであるが。

【海外記事紹介】「白人至上主義者の元リーダーが指摘、マルチプレイヤー・ゲームはリクルートに使われている」(GameRevolution)

 紹介するのは、アメリカのゲーム・サイト GameRevolution の記事「白人至上主義者の元リーダーが指摘、マルチプレイヤー・ゲームはリクルートに使われている」(Astrid Johnson, "Former White Supremacist Leader Says Multiplayer Gaming is Used for Recruitment", GameRevolution, 2018/06/29)。白人至上主義運動からの離脱を支援する非営利団体「ライフ・アフター・ヘイト」の創設者が掲示板サイト Reddit で行なった質疑応答を紹介している。

「『フォートナイト』『マインクラフト』『COD』全部さ」

 以下、記事より抜粋。

【海外記事紹介】「Valve の最近の検閲の動きを祝う謎めいたグループを暴く」(Gamasutra)

Steam の「ポルノ・コンテンツ」規制?

画像:National Center on Sexual Exploitation ウェブサイトより

 紹介するのは、ゲーム開発者向け情報サイト Gamasutra に寄せられたコラム「Valve の最近の検閲の動きを祝う謎めいたグループを暴く」(Katherine Cross, "Opinion: Illuminating the shadowy group celebrating Valve's latest censorship drive", Gamasutra, 2018/05/22)。性的な内容を含むビジュアル・ノベル系のゲームをめぐってゲーム配信サービス Steam 上で起きた騒動の背景を探った記事である。

 今月17日、複数のビジュアル・ノベル系ゲーム開発元が、Steam の運営会社 Valve から、「ポルノ・コンテンツ」(pornographic content)に修正を加えるか、ストアからゲームを撤去するか、を迫る通告を受けたことをツイッター上で報告した。19日になって彼らは、「誤解を招いた」とする謝罪を Valve から受けたことを報告しているが、販売中のゲームに対する「再検討」(re-review)のプロセスそのものは進行中だともいう(Polygon)。

 ガイドラインに則って販売を認められていたはずのゲームに対する一方的な方針転換、『The Witcher』シリーズのような、あからさまなセックス・シーンを含む大作にそんな通告が出されている気配はない、など一貫性や透明性を欠く Valve の動きに反発が寄せられる最中、ある組織が「自分たちの2年にわたるキャンペーンの成果」と勝利宣言を出した。記事は、このフェミニスト風のレトリックで擬装した宗教保守グループについて詳細な情報を提供している。

「ベッドはびしょ濡れだ」:『Far Cry 5』の「おしっこテープ」ミッション

「あのお方の特別指令」

 日本時刻では3月29日に発売予定の『Far Cry 5』(Ubisoft)。アメリカ合州国モンタナ州を舞台とするこのオープンワールド・アクション・ゲームに、ドナルド・トランプ大統領の「おしっこテープ」(Pee Tape)疑惑を仄めかすミッションが登場するそうだ。

 「おしっこテープ」とは、元MI6諜報員クリストファー・スティール(Christopher Steele)によるプーチン・ロシアとトランプとの関係をめぐる調査報告によって存在が示唆された盗撮記録。トランプ氏がモスクワのホテルの一室で、娼婦たちにベッドに向かって「ゴールデン・シャワー」(放尿)させているところをロシア当局に盗撮されていた、というもの(報告書は2016年に複数の報道機関と諜報機関に提供されていたが、2017年1月にBuzzfeed が全文公開に踏み切った)。

 アメリカのゲーム情報サイト Polygon によると、問題のテープが登場するのは、「愛国的行為」(Patriot Acts)と名付けられたサイド・ミッション。「あのお方」(the Big Man himself)の指令で送られてきたスペシャル・エージェントを名乗る男(シリーズ過去作に登場するCIAエージェント)が、「国に尽くす準備はあるだろうな?」と切り出して、プレイヤーにミッションを与える。

【海外記事紹介】「アメリカで最も悪名高いネオナチ過激派集団は、YouTube と Steam に自由に投稿している」(Motherboard)

 紹介するのは、Vice のテクノロジー系サイト Motherboad の記事「アメリカで最も悪名高いネオナチ過激派集団は、YouTube と Steam に自由に投稿している」(Emanuel Maibergand and Matthew Gault, "One of America's Most Notorious Neo-Nazi Extremist Groups Is Posting Freely to YouTube, Steam", Motherboard, 2018/02/24)

 1月、アメリカのカリフォルニア州オレンジ郡で、高校時代の同級生の男性を殺害した容疑で20歳の男性が逮捕された。事件後、非営利調査報道メディアの ProPublica が、この容疑者が“Atomwaffen Division”(“Atomwaffen”はドイツ語で「核兵器」を指し、「核兵器師団」といった意味となる)という名の武装ネオナチ・グループに属し、そのトレーニング・キャンプに参加していた事実を報じた(ProPublica, 2018/01/26)。その後、ProPublica は、チャット・ログのリークを用いて、グループの内幕を明らかにしている(ProPublica, 2018/02/23)。

 Motherboard の記事はこれらの報道を受けながら、この殺戮をおおっぴらに唱える白人至上主義集団のコンテンツが YouTube や Steam のようなポピュラーなプラットフォーム・サービス上に存在していること、そして、そういった事例が珍しくないことを問題にしている。

憎悪の言語:アレックス・ジョーンズが笑えないワケ

 昨日の映画『Assassination Nation』紹介記事に関連して、映画に劣らず怖い現実世界のサンプルを少々。

 現代アメリカの右翼的なパラノイアといえばこの人、ネット陰謀論番組「InfoWars」のホスト、アレックス・ジョーンズ(Alex Jones)。以下は、トランプ大統領就任一周年目の1月20日に抗議の意思表明として全米各地で再び行われた「女性たちの行進」(Women's March)をめぐって、「デモ参加者を逮捕しろ!」と彼が絶叫しているくだりを実際のデモの光景とミックスした風刺動画だが、「もはや笑えない」とのコメントが寄せられている。

 あからさまなでっち上げや自己矛盾にもかかわらず、そこで展開されている「奴らは我々を殺しに来る」「奴らは地上のクズだ」「軍を出動させろ」という憎悪のロジック(?)は「笑えない」のである。

【ゲームの英語】『We Know the Devil』:"Promise me"

(※)以下では、『We Know the Devil』のエンディングの一つに登場するセリフを複数取り上げています。ネタバレ注意。

「約束して」

 本日のフレーズ:

Promise me hell is right there, right behind that door. All of it. Promise, really promise, there's no going back.

We Know the Devil, Date Nighto, 2015)

【海外記事紹介】「トランプの精神状態について憶測するのはやめろ」(Pacific Standard)

 紹介するのは、Pacific Standard の記事「トランプの精神状態について憶測するのはやめろ」(David M. Perry, "Stop Speculating About Trump's Mental Health", Pacific Standard, 2018/01/04)

 1月5日刊行のマイケル・ウルフ(Michael Wolff)による暴露本『炎と怒り:トランプ・ホワイトハウスの内幕』(Fire and Fury: Inside the Trump White House)をめぐって、トランプ氏の精神状態をめぐる関心が再燃したことが念頭に置かれている。記者は、そういった憶測が多くの場合、有害・無益であることを指摘し、過去のレーガン元大統領の事例を踏まえて、無責任な憶測(speculation)と信頼の置ける報道との違いを提起している。憶測は慎み、報道は自粛するな、という。

レーガンのアルツハイマーと「スタール基準」

 以下、記事より抜粋。

【海外記事紹介】「陰謀論を研究するリベラルの学者が、いかにして右翼の陰謀論の標的となったか」(The New Yorker)

 紹介するのは、The New Yorker の記事「陰謀論を研究するリベラルの学者が、いかにして右翼の陰謀論の標的となったか」 (Andrew Marantz, "How a Liberal Scholar of Conspiracy Theories Became the Subject of a Right-Wing Conspiracy Theory", The New Yorker, 2017/12/27)

 日本でも訳書の多い著名な法学者キャス・サンスティーン(Cass Sunstein)が Fox News や InfoWars といった右派メディアの繰り広げる陰謀論の標的となった経緯が語られている。

「アメリカで最も危険な男」になるまで

 以下、長いが、記事より抜粋:

【海外記事紹介】「男らしくない:環境への配慮に対する抵抗の驚くべき理由」(Scientific American)

「驚くべき」かは分からないが、興味深い報告。紹介するのは、アメリカの科学雑誌 Scientific American の研究紹介記事「男らしくない:環境への配慮に対する抵抗の驚くべき理由」(Aaron R. Brough and James E.B. Wilkie, "Unmanly: A surprising reason for resistance to environmental goods and habits", Scientific American, 2017/12/26)

 2人の著者は、それぞれユタ州立大学とノートルダム大学の、経営学部マーケティング専攻の准教授で、環境にやさしい行動についての彼らの心理学実験の結果について報告している。

 それによると、女性に比べて男性が環境にやさしい行動をとらない傾向にある理由は、男性たちが「男らしくない」と思われるのを不安に感じているからなのだという。

傷つきやすい「男らしさ」

 以下、記事より抜粋:

【海外記事紹介】「児童虐待者、レオナルド・ダ・ヴィンチ」(Splice Today)

 紹介するのは、ノア・バーラツキー(Noah Berlatsky)の短い記事「児童虐待者、レオナルド・ダ・ヴィンチ」("Leonardo da Vinci, Abuser", Splice Today, 2017/12/29)

 2017年10月に刊行された、ウォルター・アイザックソン(Walter Isaacson)による600ページを超えるレオナルド・ダ・ヴィンチの伝記(Leonardo da Vinci, Simon & Schuster, 2017)が、事実としては認識しながらその含意を軽視している伝記的事実について論じたもの。

 プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン、俳優ケビン・スペイシーといったハリウッドの大物によるセクハラ・性的虐待に対する告発の波をもたらした”#metoo”運動との重なり合いの中で、虐待の事実を前にダ・ヴィンチをどう描くべきか、という問いは、単なる過去の問題ではないことを示唆している。

 以下、記事より抜粋。

【ゲームの英語】『Night in the Woods』:“Do you believe in anything at all?”

「何も気にかけない宇宙」

 本日のフレーズ:

Mae:
Do you believe in anything at all?

Angus:
Um well so like the constellations I don't believe there's a whale out there.
But I uh believe that the stars exist and that people put the whale there.
Like I dunno. We're good at drawing lines through the spaces between stars.
Like we're pattern-finders, and we'll find patterns.
And we like really put our hearts and minds into it.
And even if we don't mean to.
So I believe in a universe that doesn't care and people who do.

Night in the Woods, Finji, 2017)

【動画】「オルト・ライトを怒らせているゲーム、『Wolfenstein 2』」(Vice)

No More Nazis

 Vice の動画「オルト・ライトを怒らせているゲーム、『Wolfenstein 2』」(“Wolfenstein II Is The Video Game That's Pissing Off The Alt-Right”, 2017/10/27)が素晴らしい。今月発売された新作FPS『Wolfenstein 2: The New Colossus』(ウルフェンシュタイン2:ザ・ニューコロッサス)関係者へのインタビュー。ゲームは、第二次世界大戦で敗れ、ナチス・ドイツに占領・植民地化されたアメリカを舞台にナチスと闘う、歴史改変SFである。


Wolfenstein II Is The Video Game That's Pissing Off The Alt-Right (HBO)

 開発元 Machine Games のナラティヴ・デザイナーのトミー・ビョーク(Tommy Bjork)、販売元 Bethesda Softworks の PRディレクターのピート・ハインズ(Pete Hines)、作中でレジスタンスを率いる黒人女性を演じたデブラ・ウィルソン(Debra Wilson)の3人がインタビューを受けている。トランプ政権の誕生や「オルト・ライト」「オルタナ右翼」(Alt-Right)を名乗る極右グループの台頭といったアメリカの近況の中で、ゲームが否応なく同時代性を帯びたことに対して、それぞれの考えが率直な言葉で語られている。

【海外記事紹介】「オルト・ライトは、ニーチェのダメな読みに心酔している。ナチスもそうであったように」(Vox)

 紹介するのは、Voxの記事「オルト・ライトは、ニーチェのダメな読みに心酔している。ナチスもそうであったように」(Sean Illing, "The alt-right is drunk on bad readings of Nietzsche. The Nazis were too." Vox, 2017/08/17)。「オルト・ライト」「オルタナ右翼」(Alt-Right)を自称するネットに軸足を置いた極右グループは、かつてのナチスがそうであったように、頭の悪い読み方をされたバージョンの哲学者ニーチェ(1844-1900)に勝手に心酔してうぬぼれている、というお話。

 アメリカの白人至上主義者についての記事だが、「ニーチェに影響を受けた」と自称する人々の約8割から9割が、誰も相手にする必要のないアホである(※出典不要)理由も示唆してくれる。

【海外記事紹介】「『きかんしゃトーマス』の抑圧的で権威主義的な魂」(The New Yorker)

本当は怖い『きかんしゃトーマス』

 1984年にイギリスで放送が開始され、1989年にはアメリカでも放送が始まった『きかんしゃトーマス』シリーズ。日本では、1990年から『ひらけ!ポンキッキ』の枠内で放送が開始された。人形劇からCGアニメーションへと姿を変えながら現在まで続いている人気シリーズである(Wikipedia 日本語 2017/10/01アクセス)。

 この子ども向け番組のことを、全体主義的なディストピアの描写、と呼ぶのは、突飛な見解に聞こえるだろうか?

 The New Yorker の記事「『きかんしゃトーマス』の抑圧的で権威主義的な魂」(Jia Tolentino, “The Repressive, Authoritarian Soul of ‘Thomas the Tank Engine & Friends’”, The New Yorker, 2017/09/28)は、『きかんしゃトーマス』の作品世界を覆う不穏なモチーフを分析している。

【海外記事紹介】「北朝鮮危機は、機能している国務省を持つことがなぜ重要かを教えている」(Vox)

 北朝鮮のミサイルをめぐる緊張が示唆しているのは、外交には外交機関が必要である、ということだ。——そのように説くのは、アメリカのニュース解説サイト Vox の、思わず笑ってしまうようなタイトルの記事「北朝鮮危機は、機能している国務省を持つことがなぜ重要かを教えている」(Zack Beauchamp, "The North Korea crisis shows why having a functioning State Department matters", Vox, 2017/08/29)

 アメリカの「国務省」(Department of State)というのは、日本でいう外務省にあたる。G20のホテルの予約に失敗した際にも指摘されたが、トランプ政権は、要職の任命(nomination)・承認(confirmation)が極端に遅れており、とりわけ外交を担う国務省のスカスカぶりがもたらす支障が懸念されている。そして、北朝鮮をめぐるトランプ政権の対応にその危うさが端的に露呈している、というのである。

トランプ政権の外交は「無能のフラクタル」

 以下、Vox 記事より抜粋:

【短編映画】『Chase』:都市の速度

Chase from Páraic Mc Gloughlin on Vimeo.

 写真家でもあるパライック・マクローリン(Páraic Mc Gloughlin)監督による3分の短編映画。アイルランドとポーランドで2年にわたり撮影されたものであるという。

 監督は作品のモチーフを次のように語る(CityLab):

「都市の生活は速い。あなたは、あなたがどこかへ向かおうとするあいだに無数の人々の生を瞬間瞬間目にしながら、あなたの周りで起きていることを頻繁に見逃す」と、マクローリンは語る。「そのように、『Chase』の目まぐるしい性質は、都市に暮らすとはどのようなことかの何かしらを表現しているのだと思う」

2017年後半以降リリースの期待のインディー・ゲーム

 2017年後半~2018年前半あたりにリリースが見込めそうな海外インディー・ゲームから注目のタイトルをリストアップ。いずれも Steam での配信が予定されているもの。

(※)発売予定は、公式サイト、Steam ストアなどに2017年8月27日にアクセスして確認できたものを記載。最新の発売予定日や日本語化の有無などについては、各作品の公式サイトやストアのリンクを参照下さい。