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【海外記事紹介】「エドワード・スノーデン再考」(The New York Review of Books)

スノーデン現象、もう一つの物語

 紹介するのは、The New York Review of Books に載せられた長文エッセイ「エドワード・スノーデン再考」(Tamin Shaw, "Edward Snowden Reconsidered", The New York Review of Books, 2018/09/13)。スノーデンによる機密暴露5周年を念頭に書かれた、スリリングな論考である。

 何か知られていなかった事実が述べられているわけではないが、エドワード・スノーデン本人というより、スノーデンを取り巻く群像を今日の視点から再構成することで、彼ら自身の語り口からは見えづらい、「スノーデン現象」の帯びてきた不穏な側面に光を当てている。

 記事でも言及されているローラ・ポイトラスの二つのドキュメンタリー映画、『シチズンフォー』(2014年)と『リスク』(2017年)を見ておくと、時系列や登場人物が理解しやすいだろう。もちろん、この記事を読むと、彼女のドキュメンタリーの印象も少し変わってくるのであるが。

【無料本】サラ・ジョン『ゴミのインターネット』

インターネットにおける「ゴミ」とは?

 ジャーナリスト、サラ・ジョン(Sarah Jeong)の著書 The Internet of Garbage(『ゴミのインターネット』)の改訂版が無料公開されている。2015年に発表されたオンライン・ハラスメントについてのノンフィクションである。公開しているのは、彼女がライターを務めるテクノロジー系サイト The Verge で、PDF、ePUB、mobi の形式でダウンロード可能だ(The Verge のダウンロード・ページ

 同書の根幹にあるのは、「言論の自由」をめぐる問題としてフレームされやすいヘイトスピーチやオンライン・ハラスメントは、むしろカテゴリー的にはスパムに近いものであり、「ゴミ」の問題としての対応が要される、という洞察だ。あらゆるオンライン空間は、「ゴミ」の問題に何らかのかたちで対応してきたのである。

【海外記事紹介】「白人至上主義者の元リーダーが指摘、マルチプレイヤー・ゲームはリクルートに使われている」(GameRevolution)

 紹介するのは、アメリカのゲーム・サイト GameRevolution の記事「白人至上主義者の元リーダーが指摘、マルチプレイヤー・ゲームはリクルートに使われている」(Astrid Johnson, "Former White Supremacist Leader Says Multiplayer Gaming is Used for Recruitment", GameRevolution, 2018/06/29)。白人至上主義運動からの離脱を支援する非営利団体「ライフ・アフター・ヘイト」の創設者が掲示板サイト Reddit で行なった質疑応答を紹介している。

「『フォートナイト』『マインクラフト』『COD』全部さ」

 以下、記事より抜粋。

「ベッドはびしょ濡れだ」:『Far Cry 5』の「おしっこテープ」ミッション

「あのお方の特別指令」

 日本時刻では3月29日に発売予定の『Far Cry 5』(Ubisoft)。アメリカ合州国モンタナ州を舞台とするこのオープンワールド・アクション・ゲームに、ドナルド・トランプ大統領の「おしっこテープ」(Pee Tape)疑惑を仄めかすミッションが登場するそうだ。

 「おしっこテープ」とは、元MI6諜報員クリストファー・スティール(Christopher Steele)によるプーチン・ロシアとトランプとの関係をめぐる調査報告によって存在が示唆された盗撮記録。トランプ氏がモスクワのホテルの一室で、娼婦たちにベッドに向かって「ゴールデン・シャワー」(放尿)させているところをロシア当局に盗撮されていた、というもの(報告書は2016年に複数の報道機関と諜報機関に提供されていたが、2017年1月にBuzzfeed が全文公開に踏み切った)。

 アメリカのゲーム情報サイト Polygon によると、問題のテープが登場するのは、「愛国的行為」(Patriot Acts)と名付けられたサイド・ミッション。「あのお方」(the Big Man himself)の指令で送られてきたスペシャル・エージェントを名乗る男(シリーズ過去作に登場するCIAエージェント)が、「国に尽くす準備はあるだろうな?」と切り出して、プレイヤーにミッションを与える。

憎悪の言語:アレックス・ジョーンズが笑えないワケ

 昨日の映画『Assassination Nation』紹介記事に関連して、映画に劣らず怖い現実世界のサンプルを少々。

 現代アメリカの右翼的なパラノイアといえばこの人、ネット陰謀論番組「InfoWars」のホスト、アレックス・ジョーンズ(Alex Jones)。以下は、トランプ大統領就任一周年目の1月20日に抗議の意思表明として全米各地で再び行われた「女性たちの行進」(Women's March)をめぐって、「デモ参加者を逮捕しろ!」と彼が絶叫しているくだりを実際のデモの光景とミックスした風刺動画だが、「もはや笑えない」とのコメントが寄せられている。

 あからさまなでっち上げや自己矛盾にもかかわらず、そこで展開されている「奴らは我々を殺しに来る」「奴らは地上のクズだ」「軍を出動させろ」という憎悪のロジック(?)は「笑えない」のである。

【海外記事紹介】「トランプの精神状態について憶測するのはやめろ」(Pacific Standard)

 紹介するのは、Pacific Standard の記事「トランプの精神状態について憶測するのはやめろ」(David M. Perry, "Stop Speculating About Trump's Mental Health", Pacific Standard, 2018/01/04)

 1月5日刊行のマイケル・ウルフ(Michael Wolff)による暴露本『炎と怒り:トランプ・ホワイトハウスの内幕』(Fire and Fury: Inside the Trump White House)をめぐって、トランプ氏の精神状態をめぐる関心が再燃したことが念頭に置かれている。記者は、そういった憶測が多くの場合、有害・無益であることを指摘し、過去のレーガン元大統領の事例を踏まえて、無責任な憶測(speculation)と信頼の置ける報道との違いを提起している。憶測は慎み、報道は自粛するな、という。

レーガンのアルツハイマーと「スタール基準」

 以下、記事より抜粋。

【動画】「オルト・ライトを怒らせているゲーム、『Wolfenstein 2』」(Vice)

No More Nazis

 Vice の動画「オルト・ライトを怒らせているゲーム、『Wolfenstein 2』」(“Wolfenstein II Is The Video Game That's Pissing Off The Alt-Right”, 2017/10/27)が素晴らしい。今月発売された新作FPS『Wolfenstein 2: The New Colossus』(ウルフェンシュタイン2:ザ・ニューコロッサス)関係者へのインタビュー。ゲームは、第二次世界大戦で敗れ、ナチス・ドイツに占領・植民地化されたアメリカを舞台にナチスと闘う、歴史改変SFである。


Wolfenstein II Is The Video Game That's Pissing Off The Alt-Right (HBO)

 開発元 Machine Games のナラティヴ・デザイナーのトミー・ビョーク(Tommy Bjork)、販売元 Bethesda Softworks の PRディレクターのピート・ハインズ(Pete Hines)、作中でレジスタンスを率いる黒人女性を演じたデブラ・ウィルソン(Debra Wilson)の3人がインタビューを受けている。トランプ政権の誕生や「オルト・ライト」「オルタナ右翼」(Alt-Right)を名乗る極右グループの台頭といったアメリカの近況の中で、ゲームが否応なく同時代性を帯びたことに対して、それぞれの考えが率直な言葉で語られている。

【海外記事紹介】「オルト・ライトは、ニーチェのダメな読みに心酔している。ナチスもそうであったように」(Vox)

 紹介するのは、Voxの記事「オルト・ライトは、ニーチェのダメな読みに心酔している。ナチスもそうであったように」(Sean Illing, "The alt-right is drunk on bad readings of Nietzsche. The Nazis were too." Vox, 2017/08/17)。「オルト・ライト」「オルタナ右翼」(Alt-Right)を自称するネットに軸足を置いた極右グループは、かつてのナチスがそうであったように、頭の悪い読み方をされたバージョンの哲学者ニーチェ(1844-1900)に勝手に心酔してうぬぼれている、というお話。

 アメリカの白人至上主義者についての記事だが、「ニーチェに影響を受けた」と自称する人々の約8割から9割が、誰も相手にする必要のないアホである(※出典不要)理由も示唆してくれる。

【海外記事紹介】「北朝鮮危機は、機能している国務省を持つことがなぜ重要かを教えている」(Vox)

 北朝鮮のミサイルをめぐる緊張が示唆しているのは、外交には外交機関が必要である、ということだ。——そのように説くのは、アメリカのニュース解説サイト Vox の、思わず笑ってしまうようなタイトルの記事「北朝鮮危機は、機能している国務省を持つことがなぜ重要かを教えている」(Zack Beauchamp, "The North Korea crisis shows why having a functioning State Department matters", Vox, 2017/08/29)

 アメリカの「国務省」(Department of State)というのは、日本でいう外務省にあたる。G20のホテルの予約に失敗した際にも指摘されたが、トランプ政権は、要職の任命(nomination)・承認(confirmation)が極端に遅れており、とりわけ外交を担う国務省のスカスカぶりがもたらす支障が懸念されている。そして、北朝鮮をめぐるトランプ政権の対応にその危うさが端的に露呈している、というのである。

トランプ政権の外交は「無能のフラクタル」

 以下、Vox 記事より抜粋:

南部連合の像はいつどうして建てられたのか

図:5年単位で見た1870年から1980年のあいだの南部連合記念碑・記念像の建造数(Mother Jones

 ヴァージニア州シャーロッツビルでの白人至上主義者集会とそこで起きた殺傷事件をめぐり、白人至上主義者を名指しせず「多く陣営」(many sides)を非難して波紋を呼んだドナルド・トランプ米大統領。2日間の沈黙の末に「人種主義は悪」と言明したのも束の間、15日に記者団の質問に対し、「両方の側(both sides)に責任がある」と述べて、再び批判を集めている(参考:Huffpost日本版CNN日本版)。

 「両方の側」(both sides)というのが、ちょうど白人至上主義者が大統領の最初の声明の解釈に用いた言葉であったように(別の記事で触れた)、トランプ大統領の発言は、白人至上主義者グループの言い分をそのままなぞったもの、と言って差し支えない。集会に参加したKKK元指導者のデヴィッド・デュークは「左翼のテロリストを糾弾してくれた」とトランプに感謝の言葉を送っている(The Guardian)。

フレッド・トランプのKKK関与疑惑について

 14日の記事でドナルド・トランプ米大統領の父フレッド・トランプのクー・クラックス・クラン(KKK)関与疑惑について言及した。

 投稿後に、当時の新聞報道の詳細な調査を行っている Vice の1年前の記事の存在を知ったので、簡単に紹介しておく(Mike Pearl, "All the Evidence We Could Find About Fred Trump's Alleged Involvement with the KKK", Vice, 2016/05/11)。

「ローブをまとったデモ行進者」

 話は、2015年9月にブログ・サイト Boing Boing が、ニューヨーク・タイムズの1927年の記事を紹介したところから始まる。その記事には、警官隊との間で乱闘となったKKK集会における逮捕者として、フレッド・トランプの名が住所とともに記載されていたのである。

2日間の沈黙の末:トランプ「人種主義は悪」発言の底意

「人種主義は悪である」

 アメリカのドナルド・トランプ大統領の白人至上主義をめぐる態度、それに対するネオナチからの喝采について、記事を2つ書いたあとで(その1その2)、2日間の沈黙の末に「KKK、ネオナチ、白人至上主義」を含む「人種主義」を非難する声明が、現地時間14日にトランプ大統領本人から出されたので(参考:CNN日本語版)、会見の映像とともに言及しておく。


President Donald Trump Condemns Charlottesville Days After Giving Original Statement | TIME

人種主義は悪である。人種主義の名のもとに暴力を引き起こすものは、犯罪者・暴漢であり、その中には、我々がアメリカ人として大切にするものすべてと両立しない、KKK、ネオナチ、白人至上主義者その他ヘイト・グループが含まれる。

Racism is evil. And those who cause violence in its name are criminals and thugs, including the KKK, neo-Nazis, white supremacists, and other hate groups that are repugnant to everything we hold dear as Americans[...]

【海外記事紹介】「私たちは、トランプが白人至上主義者に迎合していないかのようなふりをするのをやめなければならない」(Vox)

 12日木曜日のヴァージニア州シャーロッツビルで開かれた白人至上主義者の集会とそこでの殺傷事件。昨日の記事でこの騒動をめぐるドナルド・トランプ大統領の反応について論じたが、関連して、トランプが白人至上主義グループをこれまで一体どの程度非難してきたかの記録と、そこで用いられてきた言語の特徴について、的確な指摘を行っている記事が出されていたので、要点を紹介しておく(German Lopez, We need to stop acting like Trump isn’t pandering to white supremacists, Vox, 2017/08/13)。

ネオナチがトランプ称賛:「コメントはよいものだった」

トランプ「多くの陣営」発言は、ネオナチへのラブコール

「多くの陣営における、多くの陣営における」

 12日アメリカ、ヴァージニア州シャーロッツビルで、白人至上主義者の集会が開かれ、これに抗議するグループとの衝突が発生する中、白人至上主義者の男が反対派の列に車で突っ込み、女性1人が死亡、19人が負傷した(参考:Buzzup!)。

 “Unite the Right”(「右翼を結集せよ」)と名付けられたこの集会には、オルト・ライト(オルタナ右翼)の頭目リチャード・“ハイル・トランプ”・スペンサー、白人至上主義結社クー・クラックス・クラン(KKK)の元指導者デヴィッド・デュークといった、(この手の報道を追っている人には不幸にして)お馴染みのトランプ支持の白人至上主義者たちが姿を見せたことが報じられている。一応の集会の名目は、南北戦争の南軍総司令官ロバート・E.リー将軍(ちなみに、シャーロッツビルとは何のゆかりもないようだ)の像を公園から撤去する、という市議会の決定に対する抗議とされているが(Vox)、集会では、反移民の訴えとともに、「血と土」("Blood and soil.")という文字通りナチスの標語も連呼されており(Telegraph)、ネオナチやKKKに代表される人種主義を大っぴらに称える示威行動となっている。そして、デヴィッド・デュークによると、集会の目的は「我々は我々の国を取り戻す」「我々はトランプの約束を実現する」という決意表明なのだそうだ(Vox)。

「トランプ=アルツハイマー病」説の誤り

憶測とジョークと陰謀論のあいだ

 数日前、アメリカの左派系ニュース・サイト AlterNet に、「トランプが、彼の認知能力の衰えをめぐる憶測の広まりを引き起こした4つの瞬間」(Kali Holloway, "4 Times Trump Has Inspired Widespread Speculation About His Cognitive Decline", AlterNet, 2017/07/05)という、クリックベイト感のある記事が載せられていた。7月5日に、飛行機から降りたトランプ大統領が目の前に停められていたリムジンを素通りしてさまよう姿がテレビ・カメラに収められたのをきっかけとして、SNS上の一部で「トランプ=アルツハイマー病」説が再浮上したことを取り上げたものである。

G20、ホテルの予約が取れなかったトランプ大統領一行

 7、8日のG20サミットに出席するためドイツのハンブルグを訪れているアメリカのトランプ大統領。ところが、どうやらホワイトハウスは、大統領一行の宿泊するホテルの予約を取ることに失敗していたらしい。Buzzfeed に、そんなドイツ語版からの翻訳記事が掲載され、後を追って各英語メディアによっても報じられた。アメリカ政府が予約を取ろうと動き始めたときには、どのホテルもとっくに満室になっていた、というのである。

 Newsweek 日本版の翻訳記事より:

【海外記事紹介】「ロシアの隣国ウクライナは、アメリカの何年も前から『フェイク・ニュース』とハッキングに悩まされてきた」(Snopes)

 紹介するのは、アメリカのファクト・チェック・サイト、Snopes.com のニュース記事「ロシアの隣国ウクライナは、アメリカの何年も前から『フェイク・ニュース』とハッキングに悩まされてきた」(Bethania Palma, "Russia’s Neighbor Ukraine Besieged by ‘Fake News’ and Hacking Years Before United States", 2017/06/27)

 6月27日に欧米の政府機関や企業がランサムウェアを用いた大規模なサイバー攻撃に晒されたが、被害の中心はウクライナであり、そこから被害が広まった、と目されている(朝日新聞2017/06/29)。攻撃者の正体や動機は依然として不明であるが、直後からロシア政府機関の関与が疑われており、その疑いの背景には、ウクライナに対するさまざまな形でのサイバー戦争、というこれまでの経緯が関わっている。

『困った時のロジャー・ストーン』×『部屋の中にいる象』

アメリカ政治を変えた男


映画『困った時のロジャー・ストーン』:ロジャー・ストーン(右)とアレックス・ジョーンズ(中央)

 5月にネットフリックスで公開されたドキュメンタリー映画『困った時のロジャー・ストーン』(Get Me Roger Stone, 2017)は、ネットフリックスに登録しているなら必見の作品だ。

過去を生きる人、ドナルド・トランプ:「ピッツバーグ」失言の意味すること

 日本語でも詳細な報道のある話なので、ごく普通のニュースの拾い読みの域を出ないが、“covfefe”ツイートなどよりも、ある意味では笑いを誘う出来事かもしれない(というか逆に、“covfefe”の一件は、デマ拡散の常習犯で、原子力潜水艦の配置のような軍事機密を電話会談で気軽に他国に漏らしてしまう大統領の個人アカウントが、スタッフのチェックもなしに運用されていることを明確にした、という意味では、実際のところ「怖い話」である)。

ピッツバーグ市長の反論

 CNN日本語版(2017/06/02)より:

トランプ大統領“covfefe”ツイートを笑っていられない理由

ことの発端は深夜の“covfefe”

 アメリカのドナルド・トランプ大統領が5月31日未明におかしなツイートを投稿し(彼のツイートは基本的にすべておかしいが)、数時間後に削除したことが話題を呼んでいる(画像はCNNより)。