【動画紹介】「『Event[0]』の種明かし」(Game Maker's Toolkit)

「2016年の最も革新的なゲーム」


How Event[0] Works | Game Maker's Toolkit

 2016年の傑作インディー・ゲーム『Event[0]』(Ocelot Society)について何度か書いてきたが、日本語で利用できる、よい批評動画があったことに気がついたので、紹介。

 紹介するのは、マーク・ブラウン(Mark Brown)氏の“Game Maker's Toolkit”。ゲームのデザイン(設計)面に焦点を絞って、10分前後の長さで密度の高い分析を展開する人気の批評シリーズである。だいぶ前にチャンネル登録して、時々見るようにしていたのだが、いつからそうだったのか、シリーズ全動画(?)に日本語字幕がつけられていることに昨日初めて気がついた。

 上の動画は、2016年の最も革新的なゲームとして『Event[0]』を取り上げたもので、キーボードで会話する作中のAI「Kaizen」が、どのような仕組みで作られているか、どうして成功しているのか、どの点で失敗しているのか、を論じている。最近になってクリエイターを驚かせた4つ目のエンディングについては残念ながら触れていないが、奇跡的なバグを生み出した会話システムの背後にあるデザイン上の哲学について理解が深まるだろう。

「おもしろさ」を考える

 Game Maker's Toolkit といえば、個人的には、『スーパーマリオ』における「起承転結」に則ったレベル・デザインについての回や、


Super Mario 3D World's 4 Step Level Design | Game Maker's Toolkit

『ミラーズエッジ カタリスト』は『バーンアウト パラダイス』から何を学ぶべきだったか、というオープンワールド・デザインについての回、などがとりわけ印象に残る。


What Mirror's Edge Catalyst Should Have Learned From Burnout Paradise | Game Maker's Toolkit

 自分にとって愛着のある作品の分析を見て愛を深めるのもよいが、作品そのものやデザインの成否をめぐる評価に同意するとしないとにかかわらず、ゲームの仕組みについて考えることそれ自体の愉しみを教えられるシリーズである。

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