【動画】「オルト・ライトを怒らせているゲーム、『Wolfenstein 2』」(Vice)

No More Nazis

 Vice の動画「オルト・ライトを怒らせているゲーム、『Wolfenstein 2』」(“Wolfenstein II Is The Video Game That's Pissing Off The Alt-Right”, 2017/10/27)が素晴らしい。今月発売された新作FPS『Wolfenstein 2: The New Colossus』(ウルフェンシュタイン2:ザ・ニューコロッサス)関係者へのインタビュー。ゲームは、第二次世界大戦で敗れ、ナチス・ドイツに占領・植民地化されたアメリカを舞台にナチスと闘う、歴史改変SFである。


Wolfenstein II Is The Video Game That's Pissing Off The Alt-Right (HBO)

 開発元 Machine Games のナラティヴ・デザイナーのトミー・ビョーク(Tommy Bjork)、販売元 Bethesda Softworks の PRディレクターのピート・ハインズ(Pete Hines)、作中でレジスタンスを率いる黒人女性を演じたデブラ・ウィルソン(Debra Wilson)の3人がインタビューを受けている。トランプ政権の誕生や「オルト・ライト」「オルタナ右翼」(Alt-Right)を名乗る極右グループの台頭といったアメリカの近況の中で、ゲームが否応なく同時代性を帯びたことに対して、それぞれの考えが率直な言葉で語られている。

【動画】Fever Ray - "To The Moon And Back"


Fever Ray - To The Moon And Back (Official Video)

 Fever Ray(フィーヴァー・レイ)の新曲“To The Moon and Back”。

 Fever Ray ことカリン・ドレイヤー(Karin Dreijer)は、2014年に解散したスウェーデンのエレクトロ・ミュージック・姉弟デュオ The Knife の片割れ(姉)。Fever Ray 名義でのソロ新曲は、2009年のファースト・アルバム以来。素晴らしい。

【ゲーム予告】『Boyfriend Dungeon』:「君の武器とデートしよう!」


Boyfriend Dungeon: Date Your Weapons Announcement Teaser | Kitfox Games

 再生した瞬間、恋に落ちてしまう予告編。

 『Boyfriend Dungeon』(『ボーイフレンド・ダンジョン』)は、協力プレイRPG『Moon Hunters』(2016年)、カルト・シミュレーター『The Shrouded Isle』(2017年)などで知られる、カナダのインディー・ゲーム・スタジオ、Kitfox Games の新作。2019年発売予定。「ハック・アンド・スラッシュ」(hack-and-slash)ならぬ「シャック・アンド・スラッシュ」(shack-and-slash)を名乗っている。動詞の"shack"は、「同棲する」とか「一夜を共にする」といった意味。

【海外記事紹介】「オルト・ライトは、ニーチェのダメな読みに心酔している。ナチスもそうであったように」(Vox)

 紹介するのは、Voxの記事「オルト・ライトは、ニーチェのダメな読みに心酔している。ナチスもそうであったように」(Sean Illing, "The alt-right is drunk on bad readings of Nietzsche. The Nazis were too." Vox, 2017/08/17)。「オルト・ライト」「オルタナ右翼」(Alt-Right)を自称するネットに軸足を置いた極右グループは、かつてのナチスがそうであったように、頭の悪い読み方をされたバージョンの哲学者ニーチェ(1844-1900)に勝手に心酔してうぬぼれている、というお話。

 アメリカの白人至上主義者についての記事だが、「ニーチェに影響を受けた」と自称する人々の約8割から9割が、誰も相手にする必要のないアホである(※出典不要)理由も示唆してくれる。

【海外記事紹介】「『きかんしゃトーマス』の抑圧的で権威主義的な魂」(The New Yorker)

本当は怖い『きかんしゃトーマス』

 1984年にイギリスで放送が開始され、1989年にはアメリカでも放送が始まった『きかんしゃトーマス』シリーズ。日本では、1990年から『ひらけ!ポンキッキ』の枠内で放送が開始された。人形劇からCGアニメーションへと姿を変えながら現在まで続いている人気シリーズである(Wikipedia 日本語 2017/10/01アクセス)。

 この子ども向け番組のことを、全体主義的なディストピアの描写、と呼ぶのは、突飛な見解に聞こえるだろうか?

 The New Yorker の記事「『きかんしゃトーマス』の抑圧的で権威主義的な魂」(Jia Tolentino, “The Repressive, Authoritarian Soul of ‘Thomas the Tank Engine & Friends’”, The New Yorker, 2017/09/28)は、『きかんしゃトーマス』の作品世界を覆う不穏なモチーフを分析している。