【ゲームの英語】『Skyrim』:“Arrow in the knee”

 「ゲームの英語」と言っても、“nerf”(※)といったような、ゲーム文化に固有の表現、あるいはそこからネットさらにはリアルへと波及していった表現などではなく、ここでは、英語でゲームをプレイしていて遭遇する、わりと普通の、しかし、ちょっとおもしろい英語表現、というのを想定している。 ゲームの場面を通じて、具体的な使われ方や表現の持つ感触について実感が増し、また同時に、その短いフレーズからゲームそのものについても洞察が深まるかもしれない、そんな英語表現を極私的にピックアップしてみたいのである。

 ゲームは英語の勉強に使えるか? 比較的使える、と私は考える。PCでゲームをする私は日本語訳の有無に関係なく英語で作られているゲームは英語でプレイしているが(学習目的というよりは、単なる趣味・好みからだが)、個人的な経験から言って、少なくとも映画や音楽からよりも多くの単語やフレーズをゲームを通して吸収してきた。もちろん、あらゆるジャンルのゲームに同じことを言えるわけではないが、場面に疑似的に居合わせることができ、ときには返答を求められるゲームならではの語彙の定着しやすさ、というものがある。その点も考えていきたい。

【海外記事紹介】「反戦左翼の失敗」(Noah Berlatsky)

 紹介するのは、以前別の記事を紹介したノア・バーラツキー(Noah Berlatsky)によるエッセイ「反戦左翼の失敗」("The Anti-War Left’s Failure", 2017/04/07)。4月6日の米トランプ政権によるシリアに対するミサイル攻撃に触れて書かれたものである。

〔※最初の投稿の記述では、出来事とそれぞれの記事についての時系列が混乱していたので、時系列について説明を補うかたちで加筆し、日本語ニュース記事のリンクを増やして再投稿した。〕

グレン・グリーンウォルドのヘマが示唆するもの

 以下、訳注的捕捉を交えて記事より抜粋する。

【ゲームレビュー】『Asemblance』:記憶という生き物

作品名:Asemblance
開発元:Nilo Studios
販売元:Nilo Studios
発売年:2016
PC(Steam

「私とあなたでは、違う風に記憶しているみたいね・・・」

"I think you and I remember things differently..."

追体験される混乱と没頭

 非常灯の赤い光とアラーム音とともに実験施設らしき空間の一区画に立っている自分に気がつく。機械的な音声が「緊急事態」を知らせ、ただちに目の前の端末を起動し、指示に従うように、とうながす。起動された端末のモニターには「今日のご機嫌はいかがですか?」と質問が表示され、それに四択で回答すると、周囲に通常の照明が灯り、緊急事態など起こっておらず、これは緊張した状況下で反応する能力を確認するためのテストだった、と告げられる。

【ゲームレビュー】『Night in the Woods』:壊れた世界で、約束されない未来を生きる

作品名:Night in the Woods
開発元: Infinite Fall
販売元: Finji
発売年: 2017
PC(Steam

 プレイし終えてからだいぶ経つが、なかなか感想がまとまらない。もっとも、展開として何が起きたのか、テーマとして何が語られているのか、そういった部分は、意図された曖昧さも含めて、比較的明快で、かなりストレートでさえある作品だ。ただ、それについてどう受け止めるべきなのか、というこちら側の反応の面で考え込まされるのである。率直に、力強い作品だと思う。身の震えるような怒りや絶望や悲しみがあり、そして、それをまた包み込むような前向きな明るさがある。

 以下、物語後半の具体的なネタバレは避けるが、作品のテーマについての解釈を含むので、予備知識なしにプレイしたい方は要注意。

【ゲーム予告】『All Walls Must Fall』:冷戦の終わらなかった未来で、核攻撃を防ぐため時をループする


All Walls Must Fall - Kickstarter Trailer

 『All Walls Must Fall』(「すべての壁は必ず崩れ落ちる」)は、冷戦の終わらなかった2089年のベルリンを舞台とする「テック・ノワール・タクティクス・ゲーム」(Tech-Noir Tactics game)。現在Kickstarterにてクラウドファンディング・キャンペーンを実施中。
 開発元はベルリンに拠点を置くinbetweengames。キャンセルされた『Dead Island 2』の開発に携わっていた元YAGERの3人のクリエイターに、フリーランスとしてやはり『Dead Island 2』に参加していたオーディオ・デザイナーがフリーランス身分で加わった4人のインディー・チームである。メンバーのうち2人は、YAGERの代表作として名高い『Spec Ops: The Line』にも携わっていたそうだ。

【映画予告】『Like Me』:孤独をめぐるホラー、あるいはラブ・ストーリー?


LIKE ME | SXSW Teaser Trailer HD 2017 - BD Horror Trailers and Clips

 自らがコンビニ強盗を行う動画を投稿した後にソーシャルメディアのフォローを集めたキヤ(Kiya)。つながりを求めて行動をエスカレートさせていく彼女の行きつく先とは・・・。

 ネオンカラーに彩られた実験的映像でソーシャルメディア時代の孤独を描く映画『Like Me』(2017)の予告編。監督ロブ・モックラー(Robert Mockler)、主演アディソン・ティムリン(Addison Timlin)。上映時間80分。今月のサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW 2017)での上映がワールドプレミア。ロブ・モックラーは本作が長編監督デビュー。

ジョン・ロンソン『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』で少し気にかかった訳語:「男性人権運動」

 ジョン・ロンソン『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』(夏目大訳、光文社新書、2017年〔原著2015年〕)は、とても面白い本だ。ネットリンチの各事例もさることながら、炎上でグーグルはどれくらい儲けているのか、群衆論の元祖ギュスターヴ・ル・ボンは最低な人間、映画『es』(2002)の元ネタ実験は相当に胡散臭いかもしれない、暴力と恥の感情の関係、などなど興味深い話題を飛び回って、あっという間に500ページを読み進んでしまう。1200円(税抜)。

 ただ、一点、訳文で少々気にかかったくだりがある。

「サミュエル・L・ジャクソンはアニメ好き?」「ヘンタイもね」 よく検索される疑問への本人の答え


Samuel L. Jackson Answers the Web's Most Searched Questions | WIRED

——サミュエル・L・ジャクソンってアニメが好きなの?

好きだとも。ヘンタイもね。(Yes, I do. Hentai too.)

 Wiredの動画「サミュエル・L・ジャクソンがウェブで最も検索される質問に回答」(英語)より。英会話の勉強に使えそうなビデオだ。

一時的記憶喪失の患者に「トランプが大統領です」と伝える瞬間

 ほとんどパロディ・ニュースにしか見えないが(「はて、Slateってそういうサイトだったっけ?」と一瞬こちらが記憶喪失)、救急医の現場から見た「ドナルド・トランプ大統領」という現実をめぐる短い体験談「あなたの名前は? 私たちはどこにいますか? 大統領は誰? おや、大変。」(Jeremy Samuel Faust, "What Is Your Name? Where Are We? Who Is President? Oh God.", Slate, 2017/02/27)を紹介。
 記事を書いているのは、マサチューセッツ州ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院に勤務する医師で、患者が意識に障害を引き起こしていないかを確認するための単なるルーティンであったはずの質問が最近引き起こしている数々の反応が医師の目から語られている。

【海外記事紹介】「マイロ・ヤノプルス、カトリック的な罪の意識の有力な唱道者」(Patheos)

翼の折れたネット右翼

 「オルト・ライト」(Alt-right, オルタナ右翼)なる言葉の発案者リチャード・スペンサーはただのボンボンの白人至上主義者である、と指摘した記事を以前紹介した。ただ、そこで触れなかったことは、名付け親はスペンサーかもしれないが、「オルト・ライト」という言葉から英語圏の人々が真っ先に連想するのは、別の人物である(あるいは、であった)、ということだ。そして、その人物マイロ・ヤノプルス(Milo Yiannopoulos)の急速な失墜が、先週ニュースとなった。

 ハフィントン・ポスト日本語版が、彼のこれまでの言動を含めて比較的詳しい翻訳・加筆記事を載せている。

ドナルド・トランプその人によるトランプ大統領批判

 スティーヴン・コルベア(Stephen Colbert)のトーク番組“The Late Show with Stephen Colbert”(CBS)公式チャンネルから。ドナルド・トランプその人による痛烈なトランプ大統領批判、という風刺ビデオ。

Candidate Donald Trump Attacks President Donald Trump - The Late Show with Stephen Colbert

“バノン大統領”の『World of Warcraft』マネー農場秘史

 Boing BoingでSF作家のコリー・ドクトロウがおもしろい半年前の記事を紹介していた。「トランプのキャンペーンCEOの知られざる『World of Warcraft』キャリア」と題されたWiredの記事がそれだ。「トランプのキャンペーンCEO」とは、ドナルド・トランプの大統領選キャンペーンで途中からCEO(最高責任者)を務め、今や首席戦略官・上級顧問という肩書きでホワイトハウス入りし、トランプ大統領の最側近、もといトランプを操る影の大統領(“President Bannon”)と噂されるスティーヴン・バノン(Stephen Kevin "Steve" Bannon)のこと。彼がトランプ陣営に加わる直前まで陰謀論・ヘイトデマの拡散で悪名高い右翼ニュースサイトBreitbart(ブライトバート)のCEOを務めていたことや、より以前にはゴールドマン・サックスに勤めていたことはよく知られている。だが、記事によると、彼にはもう一つ、人気MMORPG『World of Warcraft』のゴールドファーミング会社のトップという、いかがわしい経歴があるのだそうだ。

【映画予告】『It Comes at Night』:ホラー予告編の手本


It Comes At Night | Official Teaser Trailer HD | A24

 Bloody Disgustingの記事より発見。ほとんど中身を明かさずに謎だけを残すこの予告を最近なかなかお目にかかれないものとして称えているが、同感。逆に言うと、悲しい現状ってことだけれど。白い犬が闇に向かって吠えているポスター画も印象的(記事参照)。記事にはプレスキットからのものと思われるあらすじが記載されているが、あえて訳さないで置こう(というか、謎めいていて、正直、訳語の選択に自信が持てない)。超自然的な脅威と、その状況下での人間同士の相互不信、という比較的標準的なモチーフがほのめかされているが、赤の他人同士の二組の家族を軸に物語は展開するらしく、複眼的で奥行きのあるドラマを期待できそうだ。

【海外記事紹介】「暗い時代に、私たちはいつでも『Morrowind』に逃げ込むことができる」(Waypoint)

 紹介するのは、Viceのゲーム・サイト、Waypointの記事「暗い時代に、私たちはいつでも『Morrowind』に逃げ込むことができる」 (Jenn Wright, "In Darker Times, We Can Always Escape to 'Morrowind'", Waypoint, 2017/02/04) 。MMORPG『エルダー・スクロールズ・オンライン』(以下、『TESO』)の大型拡張『Morrowind』の発売決定を受けて、このオープンワールドRPGシリーズが提供してきた「現実逃避」をめぐる記憶と想いとを、いまという時代に重ねながら内省的に綴った、不思議な読後感のある文章である。

【海外記事紹介】「クーデターのための観測気球? 過去24時間のニュースを分析する」(Yonatan Zunger)

 紹介するのは、ジョナタン・ザンガー氏のMediumへの投稿(Yonatan Zunger, "Trial Balloon for a Coup?: Analyzing the news of the past 24 hours", Medium, 2016/01/29)。氏は、Googleに勤める技術者(Distiguished Engineer)らしい。記事は反響を呼び、Boing Boingのような人気サイトでも紹介されている。

 時間が取れず振り返らずに訳しているので、意訳・誤訳・訳し忘れなどありそうだが、興味深い内容なので、ひとまず紹介。アメリカの新大統領ドナルド・トランプが1月27日に発した、イスラム教圏7ヵ国を対象とする入国禁止の大統領令は国内外に衝撃を与えているが、目まぐるしい動きのなかにはっきりとしたパターンをすでに読み取ることができる、というのが、記事の論旨である。

【無料ゲーム】『Handväska!』:ハンドバッグであなたの町からファシストを撃退

作品名:Handväska!
開発元:Ramsey Nasser and Jane Friedhoff
発表年:2017年
itch.ioにて無料配布(“Name your own price”)

 あなたの町にファシストが押し寄せてきた。押し出してあげよう!

【ゲーム予告】『Bucket Detective』:駄作執筆をめぐるダーク・コメディ・ホラー

 早速、2017年インディー・ゲーム期待の伏兵が姿を現した。

 『Bucket Detective』は、『the static speaks my name』(2015)の作者、ジェシー・バークスデール(Jesse Barksdale)による一人称視点のダーク・コメディ/ホラー。


Bucket Detective official trailer by The Whale Husband

トランピネス vs. オバマケア

アメリカがどうもまずいことになっていると大衆が意識しだしたのは、二〇〇五年であったろう。コメディアンのスティーヴン・コルベアが真実っぽさ(truthiness)という新語を広めた年だった。この言葉は、政治家が合理性、証拠、さらには事実に基づいた議論に代わって、むやみに感情や「勘」に訴えるようになってきている現状を評したものだ。コルベアが示した定義によれば、ある主張が「真実っぽい」のは、たとえ厳密には真実でないとしても、真実だと感じられるときである。彼が当時のインタビューで語ったように、感情はいまや客観的真理に勝利したのだ。「かつては誰しもに自分の意見を持つ権利が認められていた。自分の事実を持つ権利ではなかった。だが、もはやどうでもいいことだ。事実がどうであってもかまわない。認識こそがすべてなのだ」
(ジョセフ・ヒース『啓蒙思想 2.0』栗原百代訳、
NTT出版、2014年、p.5)

2017年に私が見逃すべきでない注目のインディー・ゲーム

 2016年はインディー・ゲーム豊作の年だった。
 個々の作品に対する評価は別として、その年の話題作やベストにどれを持ってきてもおかしくない、そんなインパクトを持ったタイトルが目白押しだった、という印象を受ける。
 個人的には、『Inside』『Virginia』レビュー)、『Event[0]』レビュー)、『Orwell』レビュー)といったあたりがとくに印象深かったが、あるいは逆に、私が気になりつつもまだプレイないし購入していないタイトルを並べてみても、『SUPERHOT』『The Witness』『Hyper Light Drifter』『Stardew Valley』『No Man's Sky』『ABZU』『Thumper』などなど、あっという間に十指に余りそうな勢いだ。

 2017年も、「いよいよリリースか?」という待望作から、突然どこからともなく姿を現した新作まで、楽しみなインディー・ゲームが多い。私的備忘録として公開しておこう。

(※)発売予定は、公式サイトないしSteamストアなどに2017年1月14日にアクセスして確認できたものを記載(【2017/03/12更新】既に発売中のものも含め更新)。最新の発売日や、PC以外の対応プラットフォーム、日本語化有無については公式サイトやSteamのリンクを参照下さい。

【海外記事紹介】「ドナルド・トランプはファシストではない」(Vox)

 紹介するのは、政治学者シェリー・バーマンによる論説(Sheri Berman, "Donald Trump isn’t a fascist", Vox, 2017/01/03)。経歴を見ると、彼女は、これまで社会民主主義(social democracy)についての歴史研究書を2冊著しており、現在は『ヨーロッパにおける民主政と独裁』(Democracy and Dictatorship in Europe)という著作を準備中であるという。2冊目の著書のAmazon商品紹介には、ファリード・ザカリア、ハロルド・ジェームズ、マイケル・ウォルツァーといった日本でも訳書のある著名人による評が寄せられており、名の知れた研究者であるようだ。

 彼女の論旨は明快。「トランプは、右翼ポピュリスト(right-wing populist)であって、ファシストではない」というもの。ただし、これは、どちらならマシといった話ではなく、用語を厳密に用いていわば現象の傾向と対策をきちんと見極めよう、というのが、彼女の議論の狙いである。

【無料ゲーム】『Orchids to Dusk』:数分後の確実な死

作品名:Orchids to Dusk
開発元:Pol Clarissou
発表年:2015年
itch.ioにて無料配布(“Name your own price”)

 未知の惑星に漂着した宇宙飛行士となって、残された最期の数分間を過ごすゲーム。