ゲーム『Project Tingler』は無料配信を予定、Kickstarterで愛の存在を証明したい人々の支援を募る


Kickstarted in the Butt: A Chuck Tingle Digital Adventure by Zoë Quinn

 以前紹介記事を書いた、ゲーム・クリエイターのゾーイ・クイン(Zoë Quinn)とゲイ・ポルノ作家チャック・ティングル(Chuck Tingle)のコラボ作品『プロジェクト・ティングラー』(Project Tingler)が、Kickstarterでクラウドファンディングを開始した。なお、『Project Tingler』は仮称で、「真の名前は黒魔術から身を守るためリリースのときまで伏せられる」という。

 ゲームは2017年初頭を目標に、価格指定なしの「払える分だけ払って」(pay-what-you-can)、すなわち無料での配信を予定しており(PC/Mac対応)、それを実現するためにご支援を、とのこと。
 ゲームそのものは誰にでも無料で提供される一方で、クラウドファンディング参加者は、出資額と選択に応じて、作中クレジット、ゲームへの早期アクセスなどから、ティングル作品にお馴染みの“生きた物体”(living object)としての出演権まで、さまざまな特典が得られる、というかたちだ(ただし、数量限定特典は、すでに定員に迫っているものもある)。

 ティングルについてはいずれ改めて作品紹介をしたいと思っているが、彼がネット上で一種のカルトヒーローとしての地位を確立し、ゾーイ・クインとのコラボに至った経緯については、前回の紹介記事を参照して頂きたい。
 公式サイトの彼についての紹介文は、次の通りである。

ヒューゴー賞候補者チャック・ティングル博士は、モンタナ州ビリングズ出身の、官能小説家にしてテコンドーのグランドマスター(ほぼ黒帯)。デヴライ大学でホリスティック・マッサージの博士号を取得後、チャックは、自らがあらゆる官能的な事物に魅了されていることに気がつき、「ティングラー」(tingler)の創造へと導かれた。すなわち、背筋にひりっとしたゾクゾク感(tingle)を引き起こすことなしには体験することができない至福のエロティックなストーリーのことである。

 デヴライ大学は、当然ながら「ホリスティック・マッサージ」の博士号など出していない、など、彼のキャラは、あからさまにいかがわしく、それ自体、よい意味でパフォーマンス・アート的で、彼の活躍を好意的に取り上げてきたニュース解説サイトが最近、“チャック・ティングル”というオンライン・ペルソナをめぐる長い考察記事を出したばかりでもある。当のティングルはといえば、記事に感謝の意を表するとともに、『チャック・ティングルの正体の謎をめぐるボクの揺れ続ける想いにケツを激しく突かれて』という新作で素早く応答してみせたのだが・・・。

 というわけで、現実を侵食し続ける不思議な「ティングル宇宙」(Tingleverse)の住人に仲間入りする絶好のチャンス、というべきクラウドファンディング・キャンペーンである。

 ちなみに、恥ずかしながら私はお名前を存じ上げなかったが、キャンペーン・ビデオに出てくるセクシーな「ジョーイ」は、ジョーイ・ライアン(Joey Ryan)というプロレスラーだそうだ。


【関連記事】

「Zoë Quinn と Chuck Tingle によるゲーム“Project Tingler” 」