【海外記事紹介】「マイロ・ヤノプルス、カトリック的な罪の意識の有力な唱道者」(Patheos)

翼の折れたネット右翼

 「オルト・ライト」(Alt-right, オルタナ右翼)なる言葉の発案者リチャード・スペンサーはただのボンボンの白人至上主義者である、と指摘した記事を以前紹介した。ただ、そこで触れなかったことは、名付け親はスペンサーかもしれないが、「オルト・ライト」という言葉から英語圏の人々が真っ先に連想するのは、別の人物である(あるいは、であった)、ということだ。そして、その人物マイロ・ヤノプルス(Milo Yiannopoulos)の急速な失墜が、先週ニュースとなった。

 ハフィントン・ポスト日本語版が、彼のこれまでの言動を含めて比較的詳しい翻訳・加筆記事を載せている。

ドナルド・トランプその人によるトランプ大統領批判

 スティーヴン・コルベア(Stephen Colbert)のトーク番組“The Late Show with Stephen Colbert”(CBS)公式チャンネルから。ドナルド・トランプその人による痛烈なトランプ大統領批判、という風刺ビデオ。

Candidate Donald Trump Attacks President Donald Trump - The Late Show with Stephen Colbert

“バノン大統領”の『World of Warcraft』マネー農場秘史

 Boing BoingでSF作家のコリー・ドクトロウがおもしろい半年前の記事を紹介していた。「トランプのキャンペーンCEOの知られざる『World of Warcraft』キャリア」と題されたWiredの記事がそれだ。「トランプのキャンペーンCEO」とは、ドナルド・トランプの大統領選キャンペーンで途中からCEO(最高責任者)を務め、今や首席戦略官・上級顧問という肩書きでホワイトハウス入りし、トランプ大統領の最側近、もといトランプを操る影の大統領(“President Bannon”)と噂されるスティーヴン・バノン(Stephen Kevin "Steve" Bannon)のこと。彼がトランプ陣営に加わる直前まで陰謀論・ヘイトデマの拡散で悪名高い右翼ニュースサイトBreitbart(ブライトバート)のCEOを務めていたことや、より以前にはゴールドマン・サックスに勤めていたことはよく知られている。だが、記事によると、彼にはもう一つ、人気MMORPG『World of Warcraft』のゴールドファーミング会社のトップという、いかがわしい経歴があるのだそうだ。

【映画予告】『It Comes at Night』:ホラー予告編の手本


It Comes At Night | Official Teaser Trailer HD | A24

 Bloody Disgustingの記事より発見。ほとんど中身を明かさずに謎だけを残すこの予告を最近なかなかお目にかかれないものとして称えているが、同感。逆に言うと、悲しい現状ってことだけれど。白い犬が闇に向かって吠えているポスター画も印象的(記事参照)。記事にはプレスキットからのものと思われるあらすじが記載されているが、あえて訳さないで置こう(というか、謎めいていて、正直、訳語の選択に自信が持てない)。超自然的な脅威と、その状況下での人間同士の相互不信、という比較的標準的なモチーフがほのめかされているが、赤の他人同士の二組の家族を軸に物語は展開するらしく、複眼的で奥行きのあるドラマを期待できそうだ。

【海外記事紹介】「暗い時代に、私たちはいつでも『Morrowind』に逃げ込むことができる」(Waypoint)

 紹介するのは、Viceのゲーム・サイト、Waypointの記事「暗い時代に、私たちはいつでも『Morrowind』に逃げ込むことができる」 (Jenn Wright, "In Darker Times, We Can Always Escape to 'Morrowind'", Waypoint, 2017/02/04) 。MMORPG『エルダー・スクロールズ・オンライン』(以下、『TESO』)の大型拡張『Morrowind』の発売決定を受けて、このオープンワールドRPGシリーズが提供してきた「現実逃避」をめぐる記憶と想いとを、いまという時代に重ねながら内省的に綴った、不思議な読後感のある文章である。

【海外記事紹介】「クーデターのための観測気球? 過去24時間のニュースを分析する」(Yonatan Zunger)

 紹介するのは、ジョナタン・ザンガー氏のMediumへの投稿(Yonatan Zunger, "Trial Balloon for a Coup?: Analyzing the news of the past 24 hours", Medium, 2016/01/29)。氏は、Googleに勤める技術者(Distiguished Engineer)らしい。記事は反響を呼び、Boing Boingのような人気サイトでも紹介されている。

 時間が取れず振り返らずに訳しているので、意訳・誤訳・訳し忘れなどありそうだが、興味深い内容なので、ひとまず紹介。アメリカの新大統領ドナルド・トランプが1月27日に発した、イスラム教圏7ヵ国を対象とする入国禁止の大統領令は国内外に衝撃を与えているが、目まぐるしい動きのなかにはっきりとしたパターンをすでに読み取ることができる、というのが、記事の論旨である。