普通の人々の目を通して描かれる大災厄 制作中のスウェーデン映画『DEN BLOMSTERTID NU KOMMER』

DEN BLOMSTERTID NU KOMMER - PILOT TEASER

 去年 Kickstarter でクラウドファンディングに成功し、現在制作中のスウェーデンのスリラー映画。

 実際の映画の予告ではなく、あくまで Kickstarter キャンペーン用のパイロット映像と断っているが、実に見事な緊迫感。

 ストーリー:

16歳のアレックスとアナ、二人は出会い恋に落ちた。だが、アレックスの家庭が崩壊したとき、若いカップルは離れ離れの道を歩むことを強いられたのであった。12年後、スウェーデンが正体不明の敵による攻撃にさらされ、アレックスとアナの運命が再び交差する。二人を取り巻く世界が崩れ落ちるなか、かつての想いが蘇り、アレックスは最愛の人を取り戻すべく苦闘することとなる。

 私にはスウェーデン語はちんぷんかんぷんなのだが、タイトルの“DEN BLOMSTERTID NU KOMMER”は、Wikipedia によると、スウェーデンの賛美歌の名前で、英語に直訳すると、“Now the time of blossoming arrives”(花開く季節がやってくる)という意味、とのこと。曲そのものが気になる方は、YouTube で女性の独唱を聴くことができる。
 なお、"The Unthinkable"との英題も与えられており、こちらには、「想像を絶することが起きたとき」とのニュアンスが込められているようだ。

 制作チーム Crazy Pictures は、YouTube でショート・フィルムを公開してきた6人組で、協力者として『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008)のプロデューサー、ヨン・ノードリング(John Nordling)を製作総指揮(executive producer)に迎えている、とのこと。

 英語字幕が付いていたので、彼らのチャンネルから「魚のためのポエトリー」(POESI FÖR FISKAR)と題されたシリーズを2本見てみたが(“Övertidskrig”“Vaskduellen”)、普通なら思いつきでやめておくようなバカバカしいネタを妥協なしに全力で映像化してる、といった感じで、好感が持てる(ただし、一部グロいシーンがあるので、ご覧になる方は要注意!)。

 映画は、2017年秋の公開を予定。