『Nuclear Throne』作者が語るゲーム『Event[0]』のすばらしさ

 AIとの会話、というかたちでテキスト・アドベンチャー要素を組み込んだゲーム『Event[0]』について先日レビューを書いたが、投稿後に、『Nuclear Throne』(2015)で知られるインディ・ゲーム・クリエイター、ラミ・イスマイル(Rami Ismail)が同作を激賞している文章を見つけた。
 文章は、「『Event[0]』と意図されたぎこちなさ」と題されている。プレイ後に読むよう勧めているネタバレを含む考察なので、ここでは詳しく紹介しないが、プレイされた方には、ぜひお読みになることをおすすめしたい(あのゲームをプレイされる方なら苦労しない英文であろう)。私としてはとても共感を覚える感想で、読みながら、このゲームをもう一度プレイしたくなった。

 イスマイル氏は、クリエイターらしい視点から、何が『Event[0]』というゲームを特別なものにしているのか、を明晰に論じながら、それがまたどうして彼の心に響くものと感じられるのか、を感動的に語っている。ゲームプレイとそれを通じてプレイヤーに明かされる物語とが、どのようなテーマを提示しているのか、という、まさにゲームならではのナラティヴ上の達成を高く評価しているのである。

 印象に残った箇所からほんの少しだけ抜粋:

通常、チャットボットが的確に応答しないことは、コンピュータの側の落ち度と感じられる。しかし、ここでは、誰に責任があるかはどうでもいいことなのだ。
このゲームで私たちが乗り越えなければならない最大の挑戦は、私たち自身の思い込みや決め付けなのだ。すなわち、コミュニケーションをとろうとしての私たちの失敗、であり、そのコミュニケーションがぎこちないものであることへの私たちの苛立ち、なのである。

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